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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻6号

2003年06月発行

文献概要

トピックス

カネミ油症女性被害者健康実態調査報告―日本最大のダイオキシン被害

著者: 佐藤禮子1

所属機関: 1NGOカネミ油症被害者支援センター

ページ範囲:P.444 - P.447

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 カネミ油症事件をご存知の読者は多いだろう.35年前の1968年,西日本を中心に,当時はPCBが主な汚染原因だと言われたカネミ倉庫発売の米ぬか油を食べ,酷い吹き出などの皮膚症状が出たと14,000人ほどの届け出があった食中毒事件である.その販売期間は明確ではない.悲惨な健康被害状況は連日新聞を賑わせ,水俣病裁判に続く大きな裁判闘争にもなった.国は食中毒にもかかわらず,主に皮膚症状を基準に1,900人足らずを患者と認定,残りの被害者は切り捨てられ,その後検診も追跡調査もないまま,現在も放置されている.

 事件の少し前,北九州で,この毒油の絞りかすの飼料で数百万羽の鶏が死ぬというダーク油事件が起きていたが,十分に検証されないまま,引き続き人間への被害が起こってしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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