icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻6号

2003年06月発行

文献概要

連載 米国の知的障害者サービスと脱施設化に学ぶ わが国の痴呆性高齢者対策への警鐘・9

わが国の痴呆性高齢者問題への解決点の模索(上)

著者: 武田則昭1 八巻純2 末光茂1 江草安彦1

所属機関: 1川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科 2 3 4

ページ範囲:P.465 - P.469

文献購入ページに移動
 高齢者問題は医学(基礎,臨床,社会),保健,福祉,工学等の各分野で積極性な取り組みがなされている1~3).また,わが国の高齢者対策は介護保険制度施行,各種関連法制度,計画の充実に伴い,医療,保健,福祉の壁を取り去り,それぞれが互いに学び与え,参加,協力するといった,真の保健・医療・福祉の連携の動きが見られている2,4).中でも痴呆性高齢者問題は,その複雑・多様・困難性から,より一層,十分で適切な連携が必要と考えられる.しかしながら,痴呆性高齢者対策は,超高齢社会の急激な到来を目前に,その取り組みの歴史が浅いこともあり,ある意味,試行錯誤の状況が見られる.

 わが国は地方分権,コミュニティの脆弱化,若年層の少数化・個人主義・マニュアル人間化など,米国を想起させる現状がある.一方,わが国の社会・経済状況は当面,右肩上がりは期待できず,各種の制度,対策が効果的に運営される必要がある.そのためには,幼児・青少年教育の見直し(知育,徳育など)はもちろん必要であるが,国民全体にノーマライゼーション,自己決定の考え方(人間尊重が基本)を浸透させ,痴呆性高齢者問題に対しても適切な各種の政策を確立,推進していく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら