icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生67巻8号

2003年08月発行

文献概要

連載 介護保険下の公衆衛生活動を考える・17

閉じこもり

著者: 関なおみ1

所属機関: 1順天堂大学医学部公衆衛生学教室大学院(前東京都豊島区中央保健福祉センター 保健医療担当係)

ページ範囲:P.623 - P.625

文献購入ページに移動
男性(80歳):痴呆,結核性股関節炎,要介護3,マンション1人暮らし

 

1週間以上つながらない電話

 保健福祉センター(以下,センター)の時計が17時を回り,皆がそろそろ帰る準備をし始めたころ,その電話はかかってきた.「申し訳ないのですが,安否確認に行っていただけないでしょうか……」.

 そもそも午前中「何度も電話をしているのだが,1週間以上応答がなく,死亡しているのではないか心配」と,遠方に住む親族から本人の相談があった。午後13時30分ごろに保健師が本人の様子を見に訪問したところ,ベルを鳴らしても本人の声は聞こえず,テレビと電気はついていたが反応がなかった.これを親族に連絡したところ,親族は本人が15年間医師として勤めていたクリニックへ連絡した.クリニックの看護師が「先生はプライドが高い方なので,他の人では応答しないのかもしれない」と言い,「自分が安否確認へ行く」とのことだったので,センターは安心していたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら