文献詳細
文献概要
連載 介護保険下の公衆衛生活動を考える・17
閉じこもり
著者: 関なおみ1
所属機関: 1順天堂大学医学部公衆衛生学教室大学院(前東京都豊島区中央保健福祉センター 保健医療担当係)
ページ範囲:P.623 - P.625
文献購入ページに移動1週間以上つながらない電話
保健福祉センター(以下,センター)の時計が17時を回り,皆がそろそろ帰る準備をし始めたころ,その電話はかかってきた.「申し訳ないのですが,安否確認に行っていただけないでしょうか……」.
そもそも午前中「何度も電話をしているのだが,1週間以上応答がなく,死亡しているのではないか心配」と,遠方に住む親族から本人の相談があった。午後13時30分ごろに保健師が本人の様子を見に訪問したところ,ベルを鳴らしても本人の声は聞こえず,テレビと電気はついていたが反応がなかった.これを親族に連絡したところ,親族は本人が15年間医師として勤めていたクリニックへ連絡した.クリニックの看護師が「先生はプライドが高い方なので,他の人では応答しないのかもしれない」と言い,「自分が安否確認へ行く」とのことだったので,センターは安心していたのである.
掲載誌情報