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連載 「PRECEDE-PROCEEDモデル」の道しるべ・7
実行と評価
著者: 神馬征峰1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学
ページ範囲:P.821 - P.825
文献購入ページに移動アセスメントごとの解説も今回でいよいよ最後.次回からは日本各地での事例紹介がなされる.
まず実行に関して,原書第2版では永続可能性と制度化が大きな課題であった.原書第3版では実行の質の保証に力点が置かれている.変わらない点としておもしろいのは,いわゆる教科書の限界の指摘である(邦訳書1)p235).
教科書を読んだだけで,よく考え抜かれた計画を作ったり,適切な予算を組めるようになれるわけではない.強力な組織政策支援を得たり,職員の役に立つトレーニングや監督ができるようになるわけでもない.プロセス評価のモニタリングもしかりである.実践的な活動のためには,経験が必要である.住民のニーズをくみ取る敏感なセンス,状況の変化に直面したときの柔軟な対応力,長期目標から目を離さない忍耐力,ユーモアのセンス,なども重要である(邦訳書1),p235).そのためには教科書や事例集を読むだけでは不十分である.時間をかけて,現場で小さな成功を積み重ねながら学んでいくこと.実践力とはそうやって身に付いてくるものである.
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