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特集 結核対策のリフォーム
結核対策のブレイクスルー
著者: 高鳥毛敏雄1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学
ページ範囲:P.168 - P.171
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1. 低蔓延時代の感染症としての対策への転換
現在の結核対策の枠組は,結核が国民病として蔓延していた時代につくられたものである.結核の罹患率が低下してくるにつれ,年齢的偏在,地域的偏在,社会経済階層的偏在の傾向が顕著となってきて,これまでのすべての人々を対象とする画一的,一律的な対策の手法では効果が上がらない状況となっている.患者が多かった時期には実現できなかった,一人ひとりの患者に丁寧に徹底してかかわることが可能となっている.
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