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特別寄稿
医薬品と安全
著者: 村上陽一郎1
所属機関: 1国際基督教大学大学院
ページ範囲:P.285 - P.288
文献購入ページに移動しかし,一旦視点を個々の患者のレヴェルに下げると,この評価はきれいに逆転する.例えば,患者の医療に対する「満足度」は,つねに,先進圏諸国の間ではかなり低い数値を示してきた.「三時間待って三分の診療」とは,もう誰も言わなくなってしまったが,では事態が解消されたのか,と言えば,特に大病院や大学病院では,依然として患者はそれを耐え忍んでいる.大規模医療機関に依存し過ぎるという弊が患者の側にあるにしても,その弊自体が,患者の側の医療に対する暗黙の評価をなしている,という点も見逃せない.そして繰り返される医療事故.
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