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特集 保健師を考える・2 市町村保健師のアイデンティティ
市町村保健師が目指すもの:健康づくりから地域づくりへ―計画策定をチャンスとしたヘルスプロモーションの展開
著者: 櫃本真聿1
所属機関: 1愛媛大学医学部附属病院医療福祉支援センター
ページ範囲:P.340 - P.343
文献購入ページに移動「医師の役割は?」と聞かれたら,「患者の命を守ること」と答えることにあなたは,違和感や抵抗感を持たないだろうか? 同様に「保健師の役割は?」と尋ねられたら,「住民の健康を守ること」と返答することについて,どう感じるだろうか? 老人保健法や地域保健法などに後押しされ,住民への直接サービスが急増し,その対応のために採用が急速に進んだ市町村保健師ではあるが,保健師の技能を直接提供するサービスで,本当に住民の健康を守ることができるのだろうか? 一度原点に戻って考えてみてほしい.
健康とは疾病のないことではなく,住民それぞれが感じるものであるから,住民の健康を守るのは住民自身である.その能力や権限も保健師にはないことを再確認できたならば,次の一歩を踏み出すチャンス到来だ.保健師および行政の限界を痛感することは,決して退歩ではない.むしろ意志・情熱さえあれば,本来目指していた方向に確実に向かう転機となるだろう.
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