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特集 公衆衛生対策におけるリスクコミュニケーション
環境保健対策とリスクコミュニケーション
著者: 戸高恵美子1
所属機関: 1千葉大学環境健康フィールド科学センター
ページ範囲:P.520 - P.523
文献購入ページに移動生体内に取り込まれると本来のホルモン作用を撹乱する内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)によるヒトの健康への影響については,いまだ明確な評価が確定していない.米国立公衆衛生院(NIH)の下部組織,国立環境健康科学研究所(NIEHS)発行のジャーナル『Environmental Health Perspectives(環境健康の展望,以下EHP)』誌には,毎号必ずと言っていいほど内分泌撹乱作用のある物質についての論文が掲載され,各国の科学者が動物実験や疫学調査の結果から,これらの物質の健康影響について明らかにしようとしている.
一方,日本における臍帯を使った調査では,多くの環境汚染物質が母体から胎盤を通じて胎児を汚染していることが明らかになってきたものの,これらの物質による汚染がどのように日本人の健康状態に影響しているのか,その因果関係はいまだ明らかではない.しかし,多くの国民が不安を感じているのも事実である.
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