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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生68巻8号

2004年08月発行

文献概要

特集 公衆衛生対策におけるクライシスコミュニケーション

クライシスコミュニケーションとは何か

著者: 桜山豊夫1 成田友代2

所属機関: 1東京都健康局医療政策部 2東京都中央区保健所

ページ範囲:P.592 - P.593

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 M自動車工業の製造した大型トラックのハブの破損,クラッチボックスの破壊を始めとしたリコール隠しの問題が新聞紙面を賑わせている.当時の幹部が逮捕される事態にまで陥っているが,設計,製造段階および欠陥が判明した時点での危機管理はどうなっていたのであろう.

 危機管理の歴史は,15世紀末から本格化した大航海時代に始まる.商業革命,価格革命の時代とも言われ,ヨーロッパから危険を冒しながら,アフリカを周ってインド,アジアへと船団が出航して行った.1600年の東インド会社の設立にあたって出資者から経営者に対してリスクの管理が求められたのが,危機管理という概念の出発点と言われる.この場合の危機管理とはリスク(危険性)を見積もって,そのリスクに見合った対応をとって,可能な限りリスクを低減し,極東の地との交易で多くの利潤を生み出そうという経済活動の一環として,経営者に求められたものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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