文献詳細
特集 公衆衛生対策におけるクライシスコミュニケーション
文献概要
1998年に横浜市内の大学病院で,肺の手術と心臓の手術の患者を取り違えるという事故が発生した.翌1999年には都立病院で外用消毒薬であるヒビテングルコネートを誤って静脈内に点滴するという事件が起こった.これらの事件を契機として,医療機関におけるリスクマネジメントの必要性が指摘されるようになった.国は2001年5月に医療安全対策検討会議を設置し,翌2002年4月にはその検討結果を「医療安全推進総合対策~医療事故を未然に防止するために」として公表した.この検討結果の中でもリスクマネージャー(医療安全管理者)の配置と活用が謳われているが,各地の病院にリスクマネージャーが配置されるようになり,リスク管理についての関心は大いに高まったと思われる.
リスク管理と言っても,幅広い概念を含む.詳細は別稿に譲るが,かつて本誌において成田友代氏がリスクマネジメントについて分析された中でも述べているように1),Leavellの言う第三次予防に相当する概念としての「クライシスマネジメント」,「クライシスコミュニケーション」について本稿では論じたい.
リスク管理と言っても,幅広い概念を含む.詳細は別稿に譲るが,かつて本誌において成田友代氏がリスクマネジメントについて分析された中でも述べているように1),Leavellの言う第三次予防に相当する概念としての「クライシスマネジメント」,「クライシスコミュニケーション」について本稿では論じたい.
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