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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生68巻8号

2004年08月発行

文献概要

特別寄稿

地域におけるスピリチュアルケア実践最前線―保健・医療・福祉の連携と心のケア

著者: 大下大圓1

所属機関: 1飛騨千光寺

ページ範囲:P.630 - P.633

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スピリチュアルな痛みとは

 私は現在,飛騨高山にある真言宗千光寺の住職をしています.その傍ら,市内の高桑内科クリニックでスピリチュアルケア(心,たましいのケア)ワーカーとして,ベッドサイドで傾聴活動を行っています.単なるカウンセリングではなく,医療スタッフと連携して,患者さんや家族のケアにもあたる存在です.私が僧侶でありながら医療や福祉の現場で活動するのは,臨床で苦しむ人との心の交流があったからです.

 ある日「オレは死にたい!」と60代の患者・山田亮介さん(仮名)は訴えられました.僧侶として初めて一般病院へ行き,ベッドサイドのボランティアを始めたばかりの時でした.「こんな状態で生きていても人間やない,死んだほうがましや!」.

 山田さんは「ロックドインシンドローム(施錠症候群)」と言い,病院のベッドで体が全く動かせない患者さんでした.43歳の時に自動車の自損事故で首の骨(頸椎)を損傷して,四肢麻痺の状態となってしまったのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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