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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生68巻8号

2004年08月発行

文献概要

海外事情

ケニアにおけるHIV/AIDS対策―VCT(voluntary counseling and testing)の展開

著者: 石川陽子1

所属機関: 1(社)日本看護協会政策企画室

ページ範囲:P.660 - P.663

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 国連エイズ合同計画(UNAIDS)によると,2002年12月末時点のPLWHA(people living with HIV/AIDS)は約4,200万人と推定され,そのうち70%の2,940万人がサハラ以南のアフリカ諸国に存在している.筆者はJICA(国際協力機構)平成14年度専門家育成個人研修員として,平成14年7月28日~平成15年1月24日まで,ケニア共和国でHIV/AIDSのVCT(voluntary counseling and testing)にかかわる研修を行った.その間に得たケニアにおけるHIV/AIDSの現状とVCTにかかわる諸問題について紹介する.

 ケニアのHIV/AIDSの現状

 1. HIV感染率

 ケニアのHIV感染率は,妊婦検診のセンチネル・サーベイランスを基本としている.これは,全国41県(district)のうち12の都市部と8つの郊外または地方で実施される.この結果から15~49歳の男女のHIV感染率は13.5%,感染者は約220万人と推定され(2000年),サーベイランスが開始された1990年の5.3%から大きく上昇している.地域別に見ると,感染率の高い地域は隣国ウガンダとの国境地域,首都ナイロビ周辺地域に集中している.都市部と地方を比較すると都市部の感染率が高いが,ケニアの人口の約80%が地方居住者であることから,感染者の72%は地方に集中していると言える1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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