文献詳細
文献概要
特集 子ども虐待予防
[インタビュー]虐待する病理とその予防法(2)―心理学の立場から
著者: 大日向雅美12
所属機関: 1恵泉女学園大学 2港区子育てひろば「あい・ぽーと」
ページ範囲:P.12 - P.18
文献購入ページに移動虐待と社会背景,支援体制
大日向 私が虐待問題にかかわるようになったのは,今から30年程前に起こった「コインロッカーベビー事件」がきっかけです.ちょうどあの頃から,子どもを愛せない,育児がつらいという理由で,母親が赤ちゃんを殺したり捨てたりする事件が目立つようになりました.それに対する当時の社会の反応は「母親が子どもを愛せないなんて異常だ,母親失格だ」というものでした.しかし全国調査を実施してみると,育児がつらくて苦しみ「私は母親失格ではないか」と悩む母親たちがたくさんいました.そういう母親の声を聞いたことが,私の母性研究の始まりでした.以来30年余り,育児に悩み,不安を持ち,ストレスをためる母親たちの声を聞いています.
掲載誌情報