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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻1号

2005年01月発行

文献概要

特集 子ども虐待予防

「あいち小児保健医療総合センター」という虐待予防システムと,保健師の新たな役割

著者: 山崎嘉久12 塩之谷真弓2

所属機関: 1あいち小児保健医療総合センター総合診療部 2あいち小児保健医療総合センター保健室

ページ範囲:P.24 - P.28

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小児保健医療施設という新しい枠組みによる虐待予防システムの構築 山崎 嘉久

 現在,わが国の虐待への取り組みは早期発見・介入のステップから,「発生予防から虐待を受けた子どもの自立に至るまでの切れ目のない支援」1)を目指した地域づくりへと移っているが,その実現には多くの課題が山積している.

 当センターは,保健部門と医療部門を併せ持つ統合的な小児保健医療施設として,愛知県により2001年に開設された.虐待に対しては,虐待ネットワーク委員会を設け,医療的ケアから地域の関係者を交えたケース会議や,研修会を通じての地域支援や連携,さらには予防的な介入活動などを行っている.本稿では,小児保健医療施設という新しい枠組みの中で行われている当センターにおける虐待への取り組みについて述べる.

参考文献

1) 社会保障審議会児童部会:児童虐待への対応など要保護家庭および要支援家庭に対する支援のあり方に関する当面の見直しの方向性について. 社会保障審議会児童部会報告書, 2003
2) 杉山登志郎:子ども虐待は, いま:そだちの科学2 子ども虐待へのケアと支援, pp2-9, 2004
3) 塩之谷真弓・他:再受診が必要となった治療放棄例の検討. 日本子どもの虐待防止研究会, 第9回学術集会抄録集, p84, 2003
4) 山崎嘉久・他:地域の虐待対応におけるあいち小児保健医療総合センターの役割―地域治療プログラムへの提言. 子どもの虐待とネグレクト5: 247-253, 2003
5) 上野昌江・他:子どもの虐待防止における保健婦の援助に関する研究―家庭訪問活動の分析. 大阪府立看護大学紀要:7(1): 9-17, 2001
6) 山崎嘉久・他:児童虐待発生要因の解明と児童虐待への地域における予防的支援方法の開発に関する研究. 子育て支援に視点をおいた医療機関から保健機関等自治体への連絡方法に関する考察. 平成15年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書, pp651-660, 2004
7) 山崎嘉久:児童虐待予防対策を考える―医療の立場から. 平成16年度保健師中央研修会抄録集. pp241-252, 厚生労働省健康局総務課保健指導室発行, 2004
1) 愛知県被虐待児家庭復帰援助事業調査研究委員会:被虐待児家庭復帰のための保護者指導マニュアル. 被虐待児家庭復帰援助事業調査研究委員会報告書, 愛知県健康福祉部児童家庭課発行, 2003
2) 西澤哲:家族および親への心理的治療的アプローチ:子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ. 誠信書房, 1997
3) 佐藤千穂子:家族への心理的サポート:そだちの科学2 子ども虐待へのケアと支援. pp78-83, 2004
4) 山崎嘉久, 杉山登志郎, 海野千畝子, 塩之谷真弓・他:地域の虐待対応におけるあいち小児保健医療総合センターの役割―地域治療プログラムへの提言. 子どもの虐待とネグレクト5(1): 247-253, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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