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特集 ウイルス肝炎
肝炎ウイルス感染症の全貌
著者: 赤塚俊隆1
所属機関: 1埼玉医科大学・微生物学教室
ページ範囲:P.776 - P.780
文献購入ページに移動18世紀以降,戦争があるたびに経口感染で広がる「流行性肝炎」の流行が記載されるようになった.第二次世界大戦になると,これに加えて血液を介する「血清肝炎」がクローズアップされてきた.大戦が終了し,細胞培養技術の進歩と共に多くの新しいウイルスが発見されていったが,肝炎については,その正体を見つけることはできなかった.
そういった技術の代わりに肝炎ウイルスの発見に貢献したのは,人体実験である.1967年精神薄弱施設の園児を対象にKrugmanらが行った接種実験により,「流行性肝炎」と「血清肝炎」にそれぞれ対応する,MS1,MS2の2つの異なるウイルス株が得られた.この2つの株は後に他の研究者によるウイルスの発見に大きく貢献した.
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