文献詳細
文献概要
特集 ウイルス肝炎
ウイルス肝炎対策における地域の現状と課題
著者: 佐藤牧人1 吉田菊喜2 関根雅夫3
所属機関: 1仙台市健康福祉局兼太白区保健福祉センター 2仙台市健康福祉局衛生研究所 3仙台市健康福祉局衛生研究所微生物課
ページ範囲:P.803 - P.807
文献購入ページに移動仙台市におけるウイルス肝炎の疫学的状況
1. 感染症発生動向調査
1999(平成11)年4月より施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)に基づく感染症発生動向調査において,全数把握の4類感染症として急性ウイルス性肝炎患者の診断に際して,全医師による届出が義務付けられた.人口約100万人の仙台市では,平成11年30件,12年18件,13年27件,14年30件,15年12件の届出があった.
ウイルス別では14年はA型13件,B型16件,C型1件であった.16年からはA型とE型は4類感染症,その他はウイルス性肝炎として5類に分類が見直されたが,A型1件,B型5件,C型1件,E型1件の8件であった.仙台市においてはこれまでにE型肝炎患者が2名報告され,糞便と血液からE型肝炎ウイルス遺伝子を検出している(うち1例はⅢ型であることが判明)が,いずれも海外渡航歴やブタ・シカ・イノシシ等の臓器や肉の生食は否定され,原因は不明であった.
参考文献
掲載誌情報