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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 ウイルス肝炎

医療現場における輸血,血液製剤の使用に関する問題点と今後の課題

著者: 浜六郎1

所属機関: 1NPO法人医薬ビジランスセンター

ページ範囲:P.808 - P.813

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医療現場における輸血の問題は,きわめて複雑多岐な問題を抱えている.大きく分けて,生体成分を他者の体内に注入する臓器移植としての側面(それによる免疫的反応)と,血液を介する感染症の問題である.

 本特集はウイルス肝炎の特集であり,本稿では血液製剤の感染症を中心に,現場での使用上の問題点を述べる.

 筆者は非A非B型輸血後肝炎の院内多発に端を発し,1980年から約10年間,医療現場で輸血後肝炎問題に集中的に取り組んだ.当時の輸血にかかわる問題がその後どのように解決され,2002年の血液新法の制定(2003年施行)を経てどのように解決されてきたか,あるいはまだ解決されずに残されているのかを見た上で,その後新たに発生してきた重要な課題についても考察してみたい.

参考文献

1) 浜六郎:輸血後肝炎発生率と輸血単位数との相関, および輸血後肝炎予防対策について. 日輸血会誌28: 470-472, 1982
2) 浜六郎・他:輸血性肝炎の増加原因およびその発生予防対策に関する研究(第4報). 輸血単位数と輸血性肝炎との相関について. 日消会誌80: 2041, 1983
3) 浜六郎:薬害はなぜなくならないか. 日本評論社, 1996
4) 浜六郎:薬のチェックは命のチェック. C型肝炎(4): 24-32, 2001
5) 村上省三, 二之宮影光(監修):血液製剤, その使用ガイド. 薬業時報社, 1987
6) [ENo authors listed] (Cochrane Injuries Group Albumin Reviewers) Human albumin administration in critically ill patients; Systematic review of randomised controlled trials. Cochrane Injuries Group Albumin Reviewers. BMJ 317 (7153): 235-240, 1998
7) 厚生省医薬安全局長:血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について. 医薬発第715号(平成11年6月10日)
8) 清水勝:血液事業と輸血医療の法的根拠:血液新法の制定と薬事法改正の意義. 日内会誌93(7): 1294-1300, 2004
9) 大阪赤十字血液センター(私信)
10) 柴田弘俊:血液事業の課題と展望. 日内会誌93(7): 1289-1293, 2004
11) Alderson P, Bunn F, Lefebvre C, et al: Albumin Reviewers. Human albumin solution for resuscitation and volume expansion in critically ill patients. Cochrane Database Syst Rev. 2004 Oct 18

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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