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文献概要
連載 現場が動く!健康危機管理・5
自然災害―沖縄の台風対策
著者: 高江洲均1
所属機関: 1沖縄県宮古福祉保健所
ページ範囲:P.835 - P.838
文献購入ページに移動台風14号の概況と被害状況
平成15年9月10~11日にかけて宮古島を襲った台風14号は,宮古島気象台で最大瞬間風速74.1m/sが記録され,中心気圧も912hpaと低い値を観測し,宮古島地方の被害はここ数十年以来の甚大なものとなりました.死傷者は死亡1人,重傷7人,軽傷89人となり,住家では全壊18棟,半壊86棟,一部損壊1,206棟の被害を受けました.また,宮古島のほぼ全世帯に当たる21,400世帯(ピーク時)で停電し,さらに伊良部町と城辺町では,ほぼ全世帯に当たる4,926世帯で断水しました.通信関係では,4,038世帯で電話が不通になった他,基地局の停波(停止)で,携帯電話もつながりにくい状態でした.
当福祉保健所では,停電によりサーバー・FAXが使用不能になったため,自家発電機を備え,非常電源が使用できる宮古病院で9月11日13時30分,宮古地区医師会,県立宮古病院,宮古広域消防組合と合同で「宮古地区医療救護本部」を設置し,災害弱者(高齢者・一人暮らし障害者・透析患者・在宅酸素療養患者)の安否の確認を市町村と連携をとりながら把握し,処遇に努めました.民間の医療機関・福祉施設についても被害状況調査を実施するとともに,被害を受けた施設の患者の受け入れ体制等を確保し,関係機関に情報提供を行いました.
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