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特集 感染症情報
アウトブレイク対応における感染症情報の確認(verification)とは
著者: 砂川富正12
所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター 2WHO感染症サーベイランス・対応部
ページ範囲:P.870 - P.874
文献購入ページに移動特に近年,SARS(重症急性呼吸器症候群)や鳥インフルエンザなどを始めとする新興感染症が,外国のみならず国内でも全く同様に発生し得ることが認識されるに伴い,より迅速かつ専門的な情報の取り扱いが必要になってきていると言えよう.
本稿では,特にアウトブレイク情報の検出について,国内においてどのような対応が考えられるかを前段に,世界的にどのような仕組みでの努力がなされているかを後段に述べてみたい.特に後段は,WHOの活動を中心に概観する.いずれにおいても重視される点として,「症候群を含むうわさ情報などについてもこれを収集」し,「積極的に確認する(=verification)」という作業である.
感染症に国境はなく,また国際協調が欠かせない.WHOのアウトブレイク情報の取り扱いの仕組みの理解が,特に国内でのよりよいアウトブレイク情報の収集・確認・対応のあり方への参考となれば幸いである.
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