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雑誌文献

公衆衛生69巻11号

2005年11月発行

文献概要

フォーラム

変動する世界と公衆衛生―貧しい国々の子ども死亡を中心として

著者: 蟻田功1

所属機関: 1財団法人国際保健医療交流センター

ページ範囲:P.935 - P.938

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“前世紀100年の変化は,それまで1000年の変化を上回った.しかし,今始まる新しい世紀の変化は,この前世紀の変化が取るに足らないものとなる程,偉大なものとなるだろう(H.G. Wells,“未来の発見”,英国王立協会講演,1902年)”

 2002年,国連は,貧困の根絶を第一目標として,まず2015年までの8つのミレニアム開発目標(以下MDGs: Millennium Development Goals)を設定した.その中で第4に子ども死亡率を3分の1まで減少,第6にエイズ制圧など公衆衛生面の目標が強調された.

 しかし,本年,2005年初めの国連チームの検証では,これらの公衆衛生面も含めて,目標達成がきわめて困難とされた.次いでMDGsに対しての,『ニューヨーク・タイムズ』紙,『エコノミスト』誌などの論評批判が相次ぎ,国際社会の話題となった.WHOは児童・青年保健対策会議(Technical Steering Committee, Department of Child and Adolescent Health and Development,2005年3月14~16日,於ジュネーブ,蟻田出席)を行い,また4月7日の「世界保健デー」を「子ども保健デー」とする等,内外の動きが激しくなった.

 さて,これらの動きで強調すべき点がある.それは冒頭に挙げたH.G. Wells(有名なSF小説,『タイムマシン』の著者)が,いみじくも前世紀の初めに言ったように,21世紀には,諸問題の解決に忘れてはならない大きな変化の動向,バイオテクノロジーの目まぐるしい技術発展がある.この観点から,上記の標題について感想を述べたい.

参考文献

1) Finance and economics; Recasting the case for aid. The Economist pp67-68, Jan 22, 2005
2) World Health Organization: Achievement of the health-related Millennium Development Goals: status report, EB115/5, Dec 16, 2004
3) Bhutta ZA, et al: Community-based interventions for improving perinatal and neonatal health outcomes in developing countries: A review of the evidence. Pediatrics 115(2): 519-617, 2005
4) United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS) and World Health Organization (WHO): AIDS epidemic update, Dec 2004
5) Thousands Died in Africa Yesterday, The New York Times, Feb 27 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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