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変動する世界と公衆衛生―貧しい国々の子ども死亡を中心として
著者: 蟻田功1
所属機関: 1財団法人国際保健医療交流センター
ページ範囲:P.935 - P.938
文献購入ページに移動2002年,国連は,貧困の根絶を第一目標として,まず2015年までの8つのミレニアム開発目標(以下MDGs: Millennium Development Goals)を設定した.その中で第4に子ども死亡率を3分の1まで減少,第6にエイズ制圧など公衆衛生面の目標が強調された.
しかし,本年,2005年初めの国連チームの検証では,これらの公衆衛生面も含めて,目標達成がきわめて困難とされた.次いでMDGsに対しての,『ニューヨーク・タイムズ』紙,『エコノミスト』誌などの論評批判が相次ぎ,国際社会の話題となった.WHOは児童・青年保健対策会議(Technical Steering Committee, Department of Child and Adolescent Health and Development,2005年3月14~16日,於ジュネーブ,蟻田出席)を行い,また4月7日の「世界保健デー」を「子ども保健デー」とする等,内外の動きが激しくなった.
さて,これらの動きで強調すべき点がある.それは冒頭に挙げたH.G. Wells(有名なSF小説,『タイムマシン』の著者)が,いみじくも前世紀の初めに言ったように,21世紀には,諸問題の解決に忘れてはならない大きな変化の動向,バイオテクノロジーの目まぐるしい技術発展がある.この観点から,上記の標題について感想を述べたい.
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