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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻12号

2005年12月発行

文献概要

特集 アニマルセラピー

聴導犬普及への課題―聴覚障害に関するリスクへの「理解バリア」

著者: 有馬もと1

所属機関: 1社会福祉法人日本聴導犬協会

ページ範囲:P.962 - P.967

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聴覚障害のリスクと聴導犬

 「豪雨を聴導犬は人に教えられるのですか?」

 (福)日本聴導犬協会の講演会にいらした聴覚障害をもつ金沢在中のご夫婦からの質問だった.以前,石川県を豪雨が襲ったときに,地元の非難警報を知らず,1階まで水没した家屋の2階で翌朝目覚めた際の恐怖を,お2人は話された.会場の多くの聴覚障害者が,大きくうなずきながらその話を聞いていた.

 聴覚は,人間にとって最も危険を感知する感覚といわれ,眠っていても,何かに集中していても,不振な音に気づいて難を免れた例は多い.聴覚に障害をもつことは「逃げ遅れ」や「災害に巻き込まれる危険性」の確率が高いといえる.

参考文献

1) 有馬もと:アシスタンス・ドッグ. 大月書店, 2000
2) 有馬もと:聴覚障害者の命を安全に保つ聴導犬は, 地域社会のリスクコミニュケーションである. 日本地理学会, 2005年10月9日講演
3) 都市再生本部, 犯罪対策閣僚会議 「安全・安心なまちづくり」 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/dai5/5siryou1-2.pdf
4) 熊田禎宣:環境共生の世紀を支える植福の科学づくりに貢献する計画政学. 計画行政28(3): 17, 2005
5) (福)日本聴導犬協会:239人の聴覚障害者の日常生活における聴導犬の必要性, 2000
6) Michael Siegrist, Heinz Gutscher: Persption of risk, the influence of general trust, and general confidence. Journal of Risk Research 8(2): 145-156, 2005
7) 有馬もと:人はなぜ犬や猫を飼うのか. 大月書店, 1997
8) 有馬もと:身体障害者補助犬法を知っていますか? 大月書店, 2003
9) 有馬もと:音へのオペラント条件付けと聴導犬の育成. 「介助犬」 訓練者研修会資料. 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院, 2004年2月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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