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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻2号

2005年02月発行

文献概要

特集 地域保健法10年

地域保健法における大学の役割

著者: 中本稔1

所属機関: 1山口県立大学看護学部

ページ範囲:P.120 - P.123

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私は10数年来大学に所属し,以前は医師の,現在は看護師と保健師の卒前教育を本業としながら地域保健にかかわってきた経験から,大きなテーマではあるが,「地域保健法における大学の役割」についていくつかお示ししたい.

保健所の大学への役割は?―人材育成=卒前と卒後,問題解決能力とシステム開発

 大学では,地域で働く保健医療福祉従事者を養成している.偏在自体は解消されてはいないが,1県1医学部複数看護学部が定着した.受験生全入時代を迎えて,公衆衛生にかかわる人材養成という点ではどうだろうか.若い世代の生活体験が乏しくなっている中,学生が地域を理解する学習ができるかどうか.健康課題を抱えた地域の人々の生活を理解するには,工夫が必要だ.

 医学部の場合,数年後には国家試験が変わる.それを目指したコアカリキュラムの中で,公衆衛生の知識や体験はどれだけ獲得できるだろうか.もちろん,早期体験実習や臨床でのクラークシップでも,公衆衛生マインドは育つ可能性がある.しかし,患者となった住民が地域でどういう生活をし,どんな症状に苦しみ,そして,自宅で暮らすことへの不安をどう抱えているのか,行政を含めた健康管理(健康づくり?)を理解できる卒前教育にするために,医学部の,特に衛生・公衆衛生にかかわる教員は深く悩むのではないだろうか.

 そんな事情がある中,以下,保健所の大学への役割について考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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