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特集 公衆衛生と監察医制度
監察医制度の公衆衛生対策上の意義
著者: 的場梁次1 黒木尚長1
所属機関: 1大阪大学大学院社会医学専攻法医学教室
ページ範囲:P.264 - P.268
文献購入ページに移動高齢者の独居変死(孤独死)
大阪府監察医事務所は,大阪市内のほとんどの独居高齢者の異状死体を扱っているが,黒木ら1)の調査によると,2001年のデータでは,70歳以上の独居高齢者の異状死体は,男性266例,女性247例あり,そのうち70歳代は男性190例,女性134例,80歳代は男性70例,女性93例,90歳以上は男性6例,女性20例であった.1990年と比べると約2.8倍に増加していた.
死因は,循環器系疾患72%が圧倒的に多く,これらは,心疾患61%,虚血性心疾患37%,高血圧性心疾患18%,その他心疾患6%,脳血管疾患(脳出血やくも膜下出血など)9%,血管系疾患2%により構成された.その他,感染症6%,消化器疾患6%,悪性新生物5%,呼吸器疾患5%であった.これら高齢独居者の中には,がんの末期で退院を余儀なくされ,死亡している事例もあり,今後高齢社会においていかにケアを行うかは重要な問題である.
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