文献詳細
文献概要
特集 こころの健康問題への挑戦
「社会的ひきこもり」への支援活動の現状と課題
著者: 後藤雅博1 香月富士日1
所属機関: 1新潟大学医学部保健学科
ページ範囲:P.378 - P.383
文献購入ページに移動しかし,2000年に柏崎の少女監禁事件と福岡のバスジャック事件が相次いで社会的に注目を浴び,両者は全く違った「症状」あるいは「病態」を持っていたにもかかわらず,共通項,特に反社会的傾向につながるものとして「ひきこもり」があたかもその原因かのように取り上げられ喧伝された.けれども,それらの事件以前から,1990年代に入って,多くの精神科医や地域精神保健担当者は,必ずしも「病気」とは確定できない,「社会的なひきこもり」と呼ぶのが妥当な,たとえば不登校が遷延しているような一群の人々が増えていることに気がついていた.そして対応や治療に苦慮していたのである4,6,9).
参考文献
掲載誌情報