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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻8号

2005年08月発行

文献概要

特集 介護予防をどうすすめる?・1 老人保健,介護保険制度の改革

介護保険時代の老人保健事業の展望

著者: 多田羅浩三12

所属機関: 1放送大学 2大阪大学

ページ範囲:P.616 - P.619

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「社会保障」という言葉は,戦後,日本人が特に大切にしてきた言葉ではないだろうか.ことあるごとに「社会保障の充実」ということがいわれてきた.この場合,「充実」が期待されたのは,間違いなく「保障」の内容であったと思われる.それでは,ここでの「社会」とは,一体,何だと考えられてきたのだろうか.おそらく「国」と思われてきたのであろう.しかし,その「社会」が,それほど「国」ということだけでよかったのか,どうか.今日,日本人はそのことを問われているのではないか.そのことから考えてみたい.

イギリスでの歩み

 今日につながる人類の社会保障の体系は,イギリスで生まれたのである.16世紀,ヘンリー8世の時代である.1517年にルターの「95か条の論題」によって宗教改革の火の手があがった.1534年,ヘンリー8世は首長令を発表した.ローマの権威よりも,国王の権威がまさることを宣言したのである.

参考文献

1) 多田羅浩三:イギリスに学ぶ. 大同生命厚生事業団, 第3回オックスフォード保健福祉研修報告書, pp3-20, 2005
2) 木谷勤:ドイツ帝国と第一次世界大戦. 林健太郎(編):ドイツ史, pp201-225, 山川出版社, 1974
3) 多田羅浩三・新庄文明・朝倉新太郎・橋本正己:市町村の保健事業―原点からのレポート. 日本公衆衛生協会, 1984
4) WHベヴァリジ(著), 伊部英男(訳):強制と説得. p387, 至誠堂, 1975

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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