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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生69巻9号

2005年09月発行

文献概要

特集 介護予防をどうすすめる?・2 介護予防事業の多角的取り組み

介護予防における口腔機能向上の意義

著者: 新庄文明1 福田英輝1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科健康予防科学講座口腔保健管理学分野

ページ範囲:P.705 - P.708

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口腔機能は介護予防の必須条件

 新しく始まる介護予防の取り組みの中で,「口腔機能の向上」は「栄養改善」ならびに「運動機能の向上」とあわせて,新予防給付の主要なプログラムの1つとされている.口腔機能の低下は,低栄養状態や生活機能低下をもたらすことから,口腔機能向上は介護予防の基本に位置付けられるべき取り組みである.さらにそれは,栄養や筋力の向上を通じた転倒防止や閉じこもり等の予防だけでなく,気道感染予防,認知症,循環器疾患などの予防にもつながることが示唆され,今後の介護予防にとって不可欠な要素である.

 各種の口腔ケアや口腔機能リハビリテーションとしてすすめられてきた口腔機能向上の取り組みは,各地ですでに効果や実績を示しており,今後の通所介護や通所リハビリテーションとしての新予防給付サービス,ならびに市町村保健センター等における地域支援事業において,歯科衛生士等を主な担当者とする普及と,その成果が期待される.また,これらの新しい事業の成果を確実にするためには,歯科診療室等の情報提供や診療体制の確保,ならびに高齢者のみならず成人一般を含めた保健事業との連携の強化が重要である.

参考文献

1) 平成16年1月の「高齢者リハビリテーション研究会」報告(平成16年度国診協「経口摂取障害者の口腔機能リハビリテーション推進事業」より)
2) 平成14年度国診協「介護予防向上のための口腔機能リハビリ活動に関する調査研究事業」より
3) 多田羅浩三:公衆衛生の理念. 公衆衛生61: 226-227, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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