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文献概要
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食習慣と長壽
著者: 近藤正二1
所属機関: 1東北大學衞生學教室
ページ範囲:P.177 - P.180
文献購入ページに移動一般に長命者の多い處では之等老人のみならずそれに續く60歳乃至50歳代の人々の活動力(老後の體力)もさかんであるが,長命者の少い處では之等の人々の活動力が著しく劣る。即ち長命者の多い處では老衰が遅く,長命者の少い處では老衰が早いのである。例えば隱岐の黑木村の如きは,人口3700餘の中に滿80歳以上が82人も居つて,しかも其の大部分が元氣で働いて居るので60-70歳では未だ老人と言えない位であるのに,秋田・山形縣などに多く見られる短命村では大體60歳が既に老衰期とされて居る。したがつて長命村と短命村とでは一生の間の活動期間に大きな差がある。尚其上に短命村では50歳60歳代で半身不隨等で働けない人が相當に多いのが常であつて,之をも考慮に入れるならば兩者の差は一層甚だしいものになる。
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