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文献概要
特集 1949年度の回顧と50年の展望
急性傳染病
著者: 川畑愛義1
所属機関: 1日本大学
ページ範囲:P.202 - P.204
文献購入ページに移動いままでずつと減少の一歩をたどつてきた法定傳染病がごく少数ではあるが,増加したのは残念なことにちがいない。増加の最大の原因は赤痢の激増であつて,昭和23年14,600名の患者数が実に約24,000名に増したことである。そして,これには多くの集團発生即ち爆発流行が含まれている。しかも,致命率は23年の27%から24年の30%に増加している。致命率がダイアジン,其の他のスルフア剤,ペニシリン等の普及などにもかかわらず,高くなつてきていることは,まだ相当に患者隱蔽の疑いをもたせる。昨今一流の病院では殆ど赤痢の致命率は5%以下に下つてしまつているからである。即ち届けられたものは,本当に重症なもののみに限られているものと見られている。
赤痢に次いでは猖紅熱が増しているが,其の他は概むね減少している。
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