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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生7巻4号

1950年04月発行

文献概要

特集 1949年度の回顧と50年の展望

慢性傳染病

著者: 小谷新太郞1

所属機関: 1厚生省予防課

ページ範囲:P.204 - P.205

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 我が國に於ける慢性傳染病のうち最も重要なものは,何と云つても結核である。結核は相変らず,國民死因順位の第1位を占め,1948年には届出結核死亡数は145,259で,人口万対18.1に相当し,國民総死亡の15.2%にあたる。1949年の統計は,此の稿を書いている時までには,発表されていないので,此を述べることはできないが,國民死因順位の第1位を占めることは明かである。併しながら,死亡数も若干減少し,人口万單位死亡率は1949年11月頃迄の統計から推定すれば,恐らく17前後になるようである。とうなれば近來にない低率といえる。
 結核患者の届出も年々良好となつて來ている。1947年には318,316であり,1948年には389,436となつている。1949年の統計はまだ出ていないが恐らく46万以上になるであろう。1949年に於ては,結核予防対策上特記すべき二つのことがある。その第一は,BCGか予防接種法に依り0歳から30歳迄の人に強制的に実施されることになり,又BCGワクチンも液ワクから乾燥ワクチンに切りかえられ,しかも此のワクチンに対し國家檢定が行われるようになつたことである。又ツペルクリンも國家檢定を受けることになつた。此等の事情のためにBCGの出まわりも惡く,1949年中には,僅かに200万程度のBCGの接種が行われたにすぎなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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