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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生7巻5号

1950年05月発行

文献概要

特集 鼠族昆蟲

ねずみのとり方

著者: 権田権三郞1

所属機関: 1厚生省環境衞生課

ページ範囲:P.263 - P.265

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 ねずみを一匹でも多くとるにはいかにしたら良いかを研究しなければならない,その第一はねずみの習性をあらかじめ知つておくことが必要である。ねずみは暗い場所を好む陰氣な動物で一定の通路を活疏する人間も顔負する程悧巧で,鋭敏で,聽覚と臭覚は特別発達しているのが特徴である。なを要心深いから捕そ器や毒餌に如何においしい好む餌を用いても置き方が惡いと近寄らない。又さいぎ心が強く復讐心もありますから巣を見つけて取り去つたり子ねずみを捕えて親ねずみを残して置くと飛んでもない仇討をされることがあるから警戒しなければならない。
 次は好む餌の吟味である。ねずみは貧食だからなんでも食べるが家ねずみ,溝ねずみは植物性のものが好きで特に甘味あるもの油氣のあるものが大好物である。然しねずみによつては洋食好きなものもあつて動物性の牛豚肉もバターやチーズから牛乳,卵,魚肉を好むものもあるからその環境によつて異つたものを試みて用うること必要である。まず植物性のものでは生甘藷(太白,農林一号紅赤)などの甘味の強いものを選ぶこと,人參(長きもの)馬鈴薯(白)桃色は不可,食パン,油あげ,さつま揚,南京豆,南瓜の種子,そば粉,小麦粉,唐もろこし粉,米糠,蚕の蛹などがよい。不思議にとうがらし,こしようが好きであるから餌を作るときに少し混合してもよい,塩辛いもの,にが味のあるものは余り好まない。然し貧食だけに飢えると共食いすることもある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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