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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生70巻1号

2006年01月発行

文献概要

特集 コミュニティと関係性の再構築 病める「関係性」の再生をめざして

②関係性の再構築による児童虐待の予防

著者: 櫃本真聿1

所属機関: 1愛媛大学病院医療福祉支援センター

ページ範囲:P.37 - P.39

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わが国では,この四半世紀,中央主導型の補助金行政による全国一斉の保健医療福祉施策が展開され,その結果世界一の長寿国となった.しかし新たな課題が浮上し,ますます深刻化している.例えば,①健診等が普及しても生活習慣病は増加の一途,②介護保険制度導入後も要介護者は増加し続け,自己負担の急増,③相次ぐ健康危機問題,そして児童虐待もその代表的な課題として列挙することができる.公費の支出増を食い止めたい国の財政事情の厳しさと,これら諸問題解決への具体的な対応策の行き詰まり,そして歯止めの利かない少子化等,中央主導の限界は如実に現れている.上意下達の地方分権化が進められているが,今後市町村合併や三位一体改革により解決され得るのであろうか?

 わが国の厳しい財政状況において,すべてが経済優先の観点から見直されており,保健・医療・福祉においても聖域なしの民営化(?)が検討されており,今後抜本的改革が行われるとのこと.しかし,医療福祉費等削減を最優先に掲げる行政姿勢では,地方行政へ権限が委任されても,山積する課題解決は期待しがたい.

参考文献

1) 櫃本真聿:虐待予防=育児エンパワメント―医療機関からの発信. 公衆衛生 69(1): 34-38, 2005
2) 櫃本真聿(編):虐待予防へ分娩機関からの発信―特に妊娠・出産期(1~2か月)における虐待予防対策. シーズ, 2004
3) 櫃本真聿・他:厚生労働省委託研究 「児童虐待の発生要因の解明と児童虐待への地域における予防的支援方法の開発に関する研究」 報告書. 2002~2004年

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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