公衆衛生70巻10号

2006年10月発行

トピックス 禁煙治療最前線①

たばこ規制推進における禁煙治療の位置づけと今後の課題

著者： 大島明¹ 守田貴子² 増居志津子² 中村正和²

所属機関： ¹大阪府立成人病センター調査部 ²大阪府立健康科学センター健康生活推進部

ページ範囲：P.784 - P.787

　2006年4月の診療報酬の改定においてニコチン依存症管理料が新設され，禁煙治療に保険が適用されるようになった．また，ニコチンパッチが薬価に収載され，6月からニコチンパッチにも保険が適用されるようになった．これは，たばこ規制の重要な要素である禁煙治療を普及する上で，重要な第1歩であると評価することができる．

　本稿では，たばこ規制の取り組みの現状の評価に加えて，たばこ規制の推進における禁煙治療の位置づけと今後の課題について考察する．

参考文献

1) Mackay J, Eriksen M: The Tobacco Atlas. WHO, Geneva, 2002 (日本語版は, たばこアトラス「The Tobacco ATLAS」, 日本公衆衛生協会, 2003)

2) WHO Framework Convention on Tobacco Control (http://www.who.int/tobacco/framework/download/en/index.html)(外務省による日本語訳は, 厚生労働省たばこと健康に関する情報ページからダウンロードすることができる. http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.html)

3) Prabhat J, Chaloupka FJ: Curbing the Epidemic. Governments and the Economics of Tobacco Control, p80, World Bank, Washington, D C, 1999(日本語版は, 世界銀行：たばこ流行の抑制, 日本公衆衛生協会, 第7章p86, 次のwebsiteからダウンロードすることができる. http://www.health-net.or.jp/tobacco/sekaiginkou/Title.html)

4) 日本循環器学会, 日本肺癌学会, 日本癌学会：禁煙治療のための標準手順書. 次のwebsiteからダウンロードすることができる(http://www.j-circ.or.jp/　http://www.haigan.gr.jp/osirase.html　http://www.jca.gr.jp/)

5) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2003-2004年度合同研究班報告)禁煙ガイドライン. Circulation Journal 69(Suppl Ⅳ)1005-1124, 2005