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文献概要
特集 「健康格差社会」とセーフティネット
ホームレス生活者に対する健康支援
著者: 黒田研二1
所属機関: 1大阪府立大学人間社会学部
ページ範囲:P.92 - P.95
文献購入ページに移動現在の身体の具合を尋ねた結果,具合の悪いところがあると回答した者は47.4%で,そのうち,何も対応していない者が68.4%であった.訴えの中では「腰痛」(23.6%)が最も多く,疾患としては「高血圧」(12.0%)が最も多かった.身体不調を訴える者は5割弱,そのうち治療を受けていない者は7割弱という数字は,ホームレス者に対する保健・医療の確保の必要性を強く示している.ホームレスに陥った理由に「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」を挙げる人が2割弱あり,健康状態の悪化は,ホームレスという状態に陥る要因のひとつとなっている.
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