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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生70巻2号

2006年02月発行

文献概要

報告

茨城県潮来市における健康づくり推進事業の有効性―運動実践状況別にみた運動プログラムの効果に着目して

著者: 中垣内真樹1 浅見尚子2 和田実千3 田中喜代次4 久保幸江5

所属機関: 1長崎大学大学教育機能開発センター 2セコム上信越株式会社メディカル事業部,サープス群馬 3株式会社Tsukuba Health Frontier 4筑波大学人間総合科学研究科 5茨城県潮来市健康増進課

ページ範囲:P.156 - P.159

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健康づくり推進事業における運動プログラムの効果に関する研究では,健康関連指標や体力の改善を中心に検討したものがほとんどである.運動を中心とした日常生活の行動変容やそれに伴う体力の改善については,あまり検討されていない.運動プログラムの提供が日常生活の行動変容,特に身体活動の変化やそれに伴う体力の改善に及ぼす効果を検討することは,身体活動・運動に対する個人の意識や態度の向上を目標とした「健康日本21」を促進する意味からも重要である.

 島岡ら1)は,肥満度の異なる者に対してウォーキングを中心とした同一の運動プログラムを提供したところ,肥満度によって得られる効果が異なることを報告している.肥満度など,身体的特徴の違いに限らず,運動実践状況(身体活動)の違いによっても得られる効果の異なることが予想できる.運動実践状況の異なる多数の者(集団)に対して実施した一斉指導の効果を,運動実践状況別で検討した報告は少ない.運動プログラムの効果を運動実践状況別に検討することは,自治体が開催する運動教室(多数の者に対する一斉指導)のあり方を考える上で意義があると思われる.

参考文献

1) 島岡清, 松浦巽, 服部真紀:中年女性に対する歩行を中心とした運動指導の効果. 総合保健体育科学16: 115-121, 1993
2) Marcus BH, Simkin LR: The transtheoretical model; applications to exercise behavior. Med Sci Sports Exerc26: 1400-1404, 1994
3) 井上茂, 下光輝一:身体活動を高めるための行動医学的アプローチ―トランスセオレティカルモデルの応用. 日本臨牀58: 538-544, 2000
4) 中垣内真樹, 田中喜代次:一般健常者および有疾患者の全身持久性体力―運動処方への応用, ランニング学研究11: 9-20, 2000
5) Dishman RK: The measurement conundrum in exercise adherence research. Med Sci Sports Exerc26: 1382-1390, 1994
6) 北畠義典・他:健康教室において指導した運動の実践状況について. 体力研究94: 24-29, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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