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トピックス 水俣病認定申請者調査③
申請を遅らせた住民の「水俣病」イメージ
著者: 川北稔1 成元哲2 牛島佳代3 丸山定巳4 「不知火海研究プロジェクト」5
所属機関: 1愛知教育大学教育実践総合センター 2中京大学社会学部 3福岡大学医学部公衆衛生学教室 4久留米工業大学工学部 5「不知火海研究プロジェクト」
ページ範囲:P.288 - P.291
文献購入ページに移動「同じ家にいてどうして家族は医療手帳,私だけ棄却なのか? 身体も変わらないのに.(棄却されて)何日も眠れなかった.ご飯もおいしくなかった」(60代・女性),「95年,ほんの5分や10分の検査で棄却されたのが非常に不満だ.地引網をしている私たちがかからない(=認定されない)のに,山から嫁いで漁業もしない人がかかっている.私たちは30年以上,朝晩漁業していたのに……」(70代・女性)
今回の調査対象者274人に対して,これまで水俣病に関する補償制度に申請した経験があるかどうか,またその申請結果を尋ねた(図1).1995年の政府解決策に伴って再開された水俣病総合対策医療事業(以下,総合対策医療事業)に申請した人を含めて,「申請経験がある」人が129人(47.1%)で,「申請経験がない」人は145人(52.9%)である.申請経験があると答えた129人の内訳をみると,「公害健康被害補償法(以下,公健法)のみに申請した」人が14人(10.9%),水俣病とは認めないものの,一定の健康被害があるとして国と県が医療費・療養手当等を支給した「1995年の総合対策医療事業にはじめて申請した」人が89人(69.0%),「公健法と1995年の双方に申請した」人が26人(20.2%)である.
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