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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生70巻5号

2006年05月発行

文献概要

特集 「食育」の時代へ

食でつながる人と人―人と自然の豊かな関係性

著者: 結城登美雄1

所属機関: 1(有)タス・デザイン室

ページ範囲:P.373 - P.376

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家族の始原

 「Family」という英語は,ラテン語の「Familia」から派生したもので,いまでは「家族」と訳しているこの言葉の語源をさかのぼっていけば,「一緒に耕す者たち」,すなわち「Farmer」という語につきあたるという.十数年前,初めてそのことを知ったときの静かな感動は,今も忘れがたい.ゆらぎ,漂い,果てしなく分解していくかに見える現代の家族.思えば家族も,ずいぶん遠くまで来てしまっている.そんな思いしきりの中で,「一緒に耕し,一緒に食べる者たち」.それが家族の始原であることを知った.

 スローフード,地産地消,食の安全・安心,食料自給率の低下….そして「食育基本法」の施行.食に対する様々な関心とその高まり.だが,それらのありようを考えるためには,もう一度,家族と食の始原を改めて問い返しておく必要があるのではないか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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