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特集 越境!公衆衛生
事前対応型の感染症対策の現状と将来
著者: 三宅智1
所属機関: 1厚生労働省国立感染症研究所企画調整主幹
ページ範囲:P.446 - P.450
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感染症は,発展途上国を含めた地球規模で見て,結核,マラリア,エイズ,腸管感染症など,現在も人類にとって最大の健康に対する脅威となっている.先進国においても中世から近世に至るまで,健康に対する最大の脅威は感染症であった.世界で最も高いレベルの平均寿命,健康寿命を誇るわが国でも,50~60年前の戦後間もない時期においては,終戦後1年目で天然痘患者が1万7千人以上発生し,南方や大陸からの帰国者も含めると,コレラによる死者が1万1千人,戦前においては1年間に4~5万人の腸チフス患者が発生し,6千から1万2千人が死亡したとのことである1).
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