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連載 Health for All―尾身茂WHOをゆく・25
フィラリアの話と,国際分野で働く日本人女性の活躍
著者: 尾身茂1
所属機関: 1WHO西太平洋地域事務局
ページ範囲:P.420 - P.421
文献購入ページに移動フィラリアは蚊が媒介する寄生虫症で,リンパ管炎や発熱などの医学的所見はもとより,象皮病や陰囊水腫などの障害を残し,その病気に罹患した人は社会的差別や偏見を受けてきた(写真1,2).かつては日本でもフィラリア症は広く分布していたことがあり,平安時代の絵巻物には,足の太い宮廷の女性が描かれており,また,江戸時代に描かれた浮世絵にも,大きな陰囊を担いで歩く人の姿が残っている(写真3,4).当時の日本ではまれな病気ではなかったようだ.しかし1960~1970年代にかけて,日本各地で展開されたフィラリア根絶事業により,日本では“過去の病気”となっている.
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