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「老人看護+プロ看護2005」メッセ(ニュールンベルク)見学記
著者: 華表宏有1
所属機関: 1産業医科大学
ページ範囲:P.489 - P.491
文献購入ページに移動1990年代に入ってから,高齢化の進展に合わせて,特に老人の看護・介護を担当するアルテンフレーガー/フレーゲリン(AltenpflegerIn: AltPfl)の教育改善が進められるとともに,この職種の位置づけ(看護職か社会福祉職か)をめぐって大論争があり,2002年10月の連邦憲法裁判所の判決で,ようやく決着をみることになった.その経緯と結果については,別に詳しく報告しているので省略するが,結局これからのAltPflは,それまでのような社会福祉職(別の表現では介護職)としてではなく,正式に保健医療職(Heilberuf)のひとつと定められた.これで「老人看護師」(AltPfl)は,看護師(KrankenpflegerIn: KrPfl)・小児看護師(KinderkrankenpflegerIn: KiKrPfl)と全く同列となり,2003年8月から,新しい連邦法に基づいた3年課程の専門教育が実施されている.
なおAltPflの下位職種であるアルテンフレーゲヘルファー/フェルフェリン(AltenpflegehelferIn: AltPflHl)は,従来通り各州の法律(ほとんどが1年課程)で定められる社会福祉職として位置づけられているが,この改革に合わせて「看護法」も改定された.新しい体制では,看護師の下位職種のクランケンフレーゲヘルファー/ヘルフェリン(Kranken-pflegehelferIn: KrPflHl)もAltPflHlと同じく,社会福祉職として,州レベルの法律(旧連邦法では,すべて1年課程)で規制されることになった.
こうしたドイツの看護・介護職の新しい教育体制が発足して1年8か月経過した,2005年4月中旬,ニュールンベルクで開催されたヴィンツェンツ社主催の「老人看護2005」(正式な名称は「Altenpflege+Propflege2005」)メッセを見学する機会があった(写真1).このメッセを見学するのは3年ぶり,3度目であり,本稿ではその概略を報告する.
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