文献詳細
特集 認知症―予防とケアの最前線
文献概要
高齢者介護研究会(代表/堀田力)が,厚生労働省老健局の要請に応じ,わが国の高齢化にとって大きな意味をもつ「戦後ベビーブーム世代(いわゆる団塊世代)」が65歳以上になりきる「2015年までに実現すべきこと」をまとめた1).
1990年代からの介護保障への制度的取り組みを経て,ようやく実った介護保険制度を検証し,より堅牢なものにするために,「介護予防・リハビリテーションの充実」「生活の継続性を維持するための新しい介護サービス体系」「新しいケアモデルの確立:痴呆性高齢者ケア」「サービスの質の確立と向上」の4つが大きな課題になると指摘した.特に,痴呆ケアの質の保証における新しいケアモデルを確立させ,バランスのよいサービスのあり方について,多角的に検討する必要性について述べている.
これが契機となって,認知症ケアに関してパラダイムチェンジとも言えるいくつかの変化が起きた.本稿では政策,家族支援,地域ケア,個別ケアの面において,筆者にとって考え浮かぶ新しい変化について述べたい.
1990年代からの介護保障への制度的取り組みを経て,ようやく実った介護保険制度を検証し,より堅牢なものにするために,「介護予防・リハビリテーションの充実」「生活の継続性を維持するための新しい介護サービス体系」「新しいケアモデルの確立:痴呆性高齢者ケア」「サービスの質の確立と向上」の4つが大きな課題になると指摘した.特に,痴呆ケアの質の保証における新しいケアモデルを確立させ,バランスのよいサービスのあり方について,多角的に検討する必要性について述べている.
これが契機となって,認知症ケアに関してパラダイムチェンジとも言えるいくつかの変化が起きた.本稿では政策,家族支援,地域ケア,個別ケアの面において,筆者にとって考え浮かぶ新しい変化について述べたい.
参考文献
1) 高齢者介護研究会:2015年の高齢者介護-高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて. 2003年6月26日
2) 広井良典:第3章 ケアの政治学のために. ケアのゆくえ, 科学のゆくえ. 岩波書店, 2005
3) 中島紀恵子:日本におけるセルフ・ヘルプ・グループその活動の意味. 日本保健医療行動科学会年報第4号, pp21-32, 1989年5月
4) (社)呆け老人をかかえる家族の会(編):痴呆の人の思い, 家族の思い. 中央法規出版, 2004
5) クリスティーン・ボーデン, 桧垣陽子(訳):私は誰になっていくの? アルツハイマー病からみた世界. かもがわ出版, 2003
6) クリスティーン・ボーデン, 馬籠久美子, 桧垣陽子・他(訳):私は私になっていく, 痴呆とダンスを. かもがわ出版, 2004
7) 室伏君士:痴呆老人の世界. 老年精神医学1(2): 197-204, 1984
8) 室伏君士:痴呆老人の理解とケア. 金剛出版, 1985
9) 中島紀恵子:第5章 痴呆性老人の援助. 中島紀恵子・大友英一(編):老年看護学. pp423-430, 真興交易医書出版部, 1986
10) Tom kit wood, 高橋誠一(訳):認知症のパーソンセンタードケア-新しいケアの文化へ(原題はDementia reconsidered. the person comes firsl, 1997). p20, pp235-238, 筒井書房, 2005
11) Geraid D Weisman, 松永公隆, 足立啓(訳):痴呆症状緩和とケアをたすける環境づくりの指針と手法. 日本認知症ケア学会誌8(1): 41-55, 2004
12) 外山義:グループホーム読本-痴呆性高齢者ケアの流れ. ミネルヴァ書房, 2000
13) 中島紀恵子:改訂版グループホームケア-認知症ケアが生きる場所. 日本看護協会, 2005
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