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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻1号

2007年01月発行

文献概要

特別記事

[新春対談]「若月俊一先生」を語る

著者: 大谷藤郎1 松島松翠2

所属機関: 1国際医療福祉大学,高松宮記念ハンセン病資料館,フランスベッドメディカルホームケア研究助成財団 2JA長野厚生連佐久総合病院

ページ範囲:P.43 - P.48

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 2006年8月22日,佐久総合病院名誉総長の若月俊一先生が逝去された.「農村医学の父」と呼ばれた若月先生は,私たちにいったい何を残してくれたのか.長年親交の深かった大谷藤郎先生と松島松翠先生が,若月先生の生き様を語ります.

 

出会い

大谷 今日は,松島先生と私が今まで見てきた若月俊一先生の生き様を通じて,後世,つまり若い人たちに若月先生はどういうメッセージを残したかったのか,それを浮かび上がらせるような対談にしたいと思います.

 まず,松島先生が佐久病院へ行くことになった動機とは何ですか.

松島 私は大学を卒業して1年して,昭和28年6月に東大分院外科に入局しました.その時はまだ若月先生のことも,若月先生が同じ医局のメンバーだということも,佐久病院も知らなかったのです.たまたま当直中に医局に『健康な村』(岩波書店,昭和28年)という本があるのを見つけました.著者に若月俊一とあり,目次を見ると,農村の「農繁期のむり」「はえやしらみをなくそう」「村の伝染病」「家庭薬とおまじない」「はらの虫退治」などいろいろ載っているわけです.面白そうだなと思ってページをめくったら,なかなかわかりやすく,やさしく書いてある.その当時,大学で1年ぐらいしますと外の病院に2年ぐらい行くことになるのですが,私はこのことが頭にあったものですから,佐久病院を希望しました.そこで初めて,昭和29年の4月,佐久病院で若月先生と出会ったのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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