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著者: 阿彦忠之
所属機関:
ページ範囲:P.86 - P.86
文献購入ページに移動特集論文の中でも繰り返し紹介されていますが,かつての日本で最も多いがんは「胃がん」でした.しかし,この半世紀のうちに胃がんは大きく減少しました.胃がん死亡率の減少要因と各要因の貢献度について,大学の講義で医学・看護学生に毎年質問しておりますが,ほぼ例外なく,(1)胃検診の普及による早期発見の効果,(2)手術等の治療技術の進歩,(3)食生活の変化(減塩など)の3つが回答され,貢献度は(1)>(2)>(3)と答える学生が多いのが実情です.実際は1次予防(→罹患率の減少)の貢献度が最も大きく,それを促進する環境面(冷蔵庫の普及等)の貢献も大きいことを伝えていますが,これを証明するには「地域がん登録」による罹患率の分析が不可欠です.がん登録に関する早期の法制化が望まれるところです.
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