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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻12号

2007年12月発行

文献概要

特集 ノロウイルス―ウイルス性下痢症 ノロウイルス感染症

1.ノロウイルス感染症

著者: 西尾治1

所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター

ページ範囲:P.972 - P.976

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 ノロウイルスは1997年に食中毒病因物質に加えられたことから,食中毒を起こすウイルスとの認識が強く,感染症は軽視されていた.ところが,2004年末から2005年の初めに,ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生が高齢者特別養護施設で全国的に多発し,社会的にも大問題となった.当時,ノロウイルスが聞き慣れなく,新たに出現したウイルス,殺人ウイルス如きの誤った情報が一部で言われた.ノロウイルスは約40年前に発見され,名前が新しいだけで,死亡例は極めて稀である.

 2年後の2006年11月から2007年の初めに,小児科,学校,高齢者施設等でノロウイルスによる感染性胃腸炎のヒト-ヒト集団発生,および食中毒事件が全国的に多発し,共に過去最大となった1)(図1).ノロウイルスによる感染症と食中毒は表裏一体であり,両面からの対策が必要である.

参考文献

1) 厚生労働省:食中毒統計より http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html
cell culture infectivity assay for human noroviruses. Emerging Infectious Diseases 13(3):396-403, 2007
3) Duizer E, et al:Inactivation of caliciviruses. Appl Environ Microbiol 70(8):4538-4543, 2004
4) 西尾 治,丸山務(編):ノロウイルス現場対策.幸書房,2006
5) 田村務・他:食中毒が原因のノロウイルスによる食中毒事例―新潟県.病原微生物検出情報26(12):330-331,2005
6) Mattison K, et al:Human noroviruses in swine and cattle. Emerging Infectious Diseases 13(8):1184-1188, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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