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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻12号

2007年12月発行

文献概要

特集 ノロウイルス―ウイルス性下痢症 その他のウイルス性下痢症の集団発生事例

1.ロタウイルス感染症

著者: 葛谷光隆1

所属機関: 1岡山県環境保健センターウイルス科

ページ範囲:P.991 - P.993

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 ロタウイルス(rotavirus)はレオウイルス科に属する2本鎖のRNAを遺伝子として持つウイルスであり,ヒトおよび動物の重要な胃腸炎起因ウイルスとして知られている1).ウイルス粒子は二重の殻(内殻および外殻)で構成されており,内殻蛋白の抗原性やウイルス遺伝子の違いによりA~Gの7群に分類されている.これらのうち,ヒトに病原性を有するのはA,BおよびC群である1)

 A群ロタウイルス(ARV)は小児胃腸炎の主要な病原体であり,わが国における患者数は年間約80万人に及ぶと推定されている2).また,低頻度ながら成人にも胃腸炎を起こすことが知られており,それらが施設内集団発生例として近年報告されている.ARVは外殻蛋白の抗原性に基づいて14種類の血清型に分類されているが,そのうちヒトから検出される頻度が高いのは,1~4型および9型である1)

参考文献

1) 小林宣道・他:ロタウイルス,ウイルス.50:157-172,2000
2) 中込とよ子・他:ロタウイルスワクチンの現状と展望.病原微生物検出情報26(1):14-16,2005
3) 松永健司・他:ロタウイルス感染症とノロウイルス感染症との比較検討―奈良県感染症サーベイランス一定点より.病原微生物検出情報26(1):11-13,2005
4) Kuzuya M, et al:Rapid detection of human group C rotaviruses by reverse passive hemagglutination and latex agglutination tests using monoclonal antibodies. J Clin Microbiol 31:1308-1311, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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