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連載 レセプト情報を活かす・9
海外のレセプト情報活用の例―韓国
著者: 岡本悦司1
所属機関: 1国立保健医療科学院
ページ範囲:P.1015 - P.1020
文献購入ページに移動韓国は1977年に500人以上の企業を対象とした強制加入の職域保険を開始した後,保険適用人口を拡大し,1988年(ソウルオリンピック開催年)には自営の農林水産事業者を対象とする地域保険を全国的に導入させ,翌1989年には強制加入となって皆保険制を実現した.その後,2000年に大きな転機が訪れた.この年の7月,それまで373に分立していた保険組合が統合され,国民健康保険公団(NHIC)に一本化されたのである1).
それと同時に,NHICほどには国民の関心を引かなかった新しい組織が誕生した.健康保険審査評価院(Health Insurance Review Agency:HIRA)である.韓国の医療保険はわが国と類似しており,全国共通の点数表に基づき全国共通のレセプト様式で医療機関が診療報酬を請求する点も同様である.2000年の一本化前は,レセプトは国民健康保険公団の前身である医療保険管理公団に提出され,そこで審査されていた.しかし保険者側による一方的な審査に医療側の不満は大きく,保険者から独立した審査機関を求める声が強かった.また制度改革前には数年にわたって全国的な論議が展開されたが,良質で効率的な医療を確保する制度を求める声もあがった.時あたかもインターネットやIT技術が急速に普及した時期で,医療のIT化が新生審査評価院の重要な役割となった2).
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