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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻12号

2007年12月発行

文献概要

資料

地域在住高齢者の主観的年齢と健康状態

著者: 斎藤至1 和田洋典1 牧上久仁子2 安村誠司2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部6年 2福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座

ページ範囲:P.1037 - P.1041

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 人が老いに対して持つイメージが健康状態や生命予後に影響することが示唆されている.Uotinenら1)はフィンランドの高齢者に調査を行い,自分が実際の暦年齢より身体的にまたは精神的に若いと答えた人は,暦年齢と同じ,または老いていると答えた人に比べ,13年後の死亡率が有意に低かったと報告している.Kuperら2)は英国で40~60歳の男女に「(一般的に)中年期が終わる年齢は何歳だと思うか」と質問し,中年期が終わるのは60歳以下と答えた回答者は,70歳以上と答えた回答者に比べ平均7年間の追跡中に虚血性心疾患を発症した頻度が高かったと報告している.

 今回われわれは,地域在住高齢者を対象にアンケート調査を行い,主観的年齢がどのような要因により決定されるのか,また主観的年齢は高齢者にとって何を意味するのか検討したので報告する.

参考文献

1) Uotinen V, Rantanen T, Suutama T:Perceived age as a predictor of old age motality:A 13-year prospective study. Age and Ageing 34:368-372, 2005
2) Kuper H, Marmot M:Intimations of mortality:Perceived age of leaving middle age as a predictor of future health outcomes within the WhitehallⅡstudy. Age and Ageing 32:178-184, 2003
3) 芳賀博:北海道における高齢者の役割の実態と健康度およびQOLの関連,高齢者の役割の創造による社会活動の推進及びQOLの向上に関する総合的研究.厚生労働科学研究費補助金平成16年度総括・分担研究報告書.pp11-25,2005
4) 渡邊裕子,嶋田えみ子,前田志名子,内田美樹,熊王美佐子:高齢者の老性自覚と老いに対する家族の意識.山梨県立看護大学短期大学部紀要6:113-123,2000
5) 古谷野亘,柴田博,芳賀博,須山靖男:生活満足度尺度の構造―主観的幸福感の多次元性とその測定.老年社会科学11:99-115,1989
6) 上総百合,西永正典,高田淳,森田ゆかり,土居義典,奥宮清人:地域在住高齢者における視力障害の身体機能,うつ尺度,QOLに対する影響.日本老年医学会雑誌5:564,2004
7) 安村誠司:地域ですすめる閉じこもり予防・支援―効果的な介護予防の展開に向けて.pp14-16,中央法規,2006
8) 原田謙,杉澤秀博,杉原陽子,斎藤民,浅川達人:大都市部における後期高齢者の「閉じこもり」に関連する要因:階層的地位と家族的地位に着目して.厚生の指標52(4):28-33,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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