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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻2号

2007年02月発行

文献概要

特集 がん対策・2 発がんリスクの評価と今後の対策

2.環境化学物質の曝露による発がんのリスクと対策

著者: 内山巌雄1

所属機関: 1京都大学大学院工学研究科

ページ範囲:P.117 - P.121

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 私たちの身の周りには,化学製品があふれており,その主な原料となっている化学物質は約5万種にも及ぶ.これらの多種多様な化学物質のうち,数百種類が環境中に測定できる濃度になっており,影響にいき値がないと考えられる発がん性物質も含まれていることから,環境中の汚染物質による発がんのリスク評価と,被害の未然防止の対策が求められている.発がん物質の評価には,安全か危険かの二分法ではなく,「リスク」の概念に基づいたリスク評価が行われる.リスク評価は,わが国では基準や指針値等の策定に利用され,その役割はますます重要になっている.また最近問題が再燃したアスベストのリスク評価も課題となっている.このような環境中,特に大気中の有害化学物質のリスクとその対策について考えてみたい.

参考文献

1) リチャード・ドル,リチャード・ピート(青木国雄/大野良之訳):ガンはどれだけ避けられるか,名古屋大学出版会,1991
2) 内山巌雄:ガソリン中のベンゼンのリスクアセスメント.環境衛生9:16-20, 1994
3) 内山巌雄:有害大気汚染物質のリスクアセスメントと今後の動向.環境と測定技術25(7):69-79, 1998
4) Dockery DW, et al:An association between air pollution and mortality in six U. S. cities. N Engl J Med 151:669-674,1993
5) 森永謙二(編):職業性石綿ばく露と石綿関連疾患―基礎知識と労災補償(改訂新版).三信図書,2005
6) WHO:Air Quality Guideline(2nd ed), Chapter 6.2 Asbestos. WHO Regional Office Europe, Denmark, Copenhagen, 2000
7) IRIS (Integrated Risk Information System) http://www.epa.gov/iris/index.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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