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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 過労死・過労自死

今,職場で何が起きているか

著者: 川人博1 山下敏雅1

所属機関: 1川人法律事務所

ページ範囲:P.293 - P.298

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過労自殺の実例から

1.中間管理職の遺書

人事部長殿

 だらしない部下をもって本当に申し訳なく思っております.

 期待にこたえるべくガンバリましたが,力及ばずの結果となってしまいました.

 この上は命にかえておわび申し上げますと共に,社長はじめ,人事部,会社の方,組合の方々,関係先の皆さんに深く深くおわび申し上げます.大変な時期にこんな事になり真に申し訳ございません.


 上の遺書は,会社の方針であるリストラ政策を推し進める立場に立たされ,思うように退職者や転勤者を確保できずに悩み追いつめられ,自死したAさんの遺書である1)

 会社経営者が推し進めるリストラ・人員削減政策は,現場で働く人々との間で必然的に摩擦を生む.その結果,人員整理・解雇の対象となった人々はもとより,上記のように,経営者と現場労働者との間に入った多くの中間管理職が,板挟みとなって苦しんでいる.

参考文献

1) 川人博:過労自殺.p85,岩波新書,1998
2) 川人博:過労自殺と企業の責任.p38,旬報社,2006
3)川人博:過労自殺と企業の責任.p30,旬報社,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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