文献詳細
特集 過労死・過労自死
文献概要
職場におけるストレス対策というと,基礎的な知識の付与やストレス対処方法のスキルの習得など,個人へのアプローチを検討することが多い.実際,職場におけるストレス対策はこれまで個人レベルでのアプローチが大部分で,職場レベルでの改善対策は少ない1).
しかし,就業環境が急激に変貌する中,職場には個人のストレス対処だけではいかんともしがたいストレスがあり,職場環境の改善を通じたストレス対策の重要性が認識されてきている.さらに,ILO(国際労働機関)による職場のストレス対策の成功事例を収集したレポートでは,個人向けのアプローチの効果が一時的,限定的であるのに対し,職場環境等の改善を通じたアプローチの効果のほうが永続的で有効とされている2).
しかし,就業環境が急激に変貌する中,職場には個人のストレス対処だけではいかんともしがたいストレスがあり,職場環境の改善を通じたストレス対策の重要性が認識されてきている.さらに,ILO(国際労働機関)による職場のストレス対策の成功事例を収集したレポートでは,個人向けのアプローチの効果が一時的,限定的であるのに対し,職場環境等の改善を通じたアプローチの効果のほうが永続的で有効とされている2).
参考文献
1) van der Hek H, Plomp H:Occupational stress management programmes;A practical overview of published effect studies. Occupational Medicine 47(3):133-141, 1997
2) Karasek R:Stress prevention through work reorganization;A summary of 19 international case studies. ILO conditions of work digest:preventing stress at work 11(2):23-41, 1992
3) 労働省労働基準局:労働者の心の健康の保持増進のための指針について,2006
4) 下光輝一,原谷隆史・他:主に個人評価を目的とした職業性簡易調査票の完成.加藤正明(班長):労働省平成11年度「作業関連疾患の予防に関する研究」報告書,pp126-164, 2000
5) 川上憲人,橋本修二・他:「仕事のストレス判定図」の完成と現場における有用性の検討.加藤正明(班長):労働省平成11年度「作業関連疾患の予防に関する研究」報告書,pp12-39, 2000
6) 川上憲人:「仕事のストレス判定図」と職場環境等の改善.産業保健21(26):4-9, 2000
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