文献詳細
特集 歯周病予防からのヘルスプロモーション
文献概要
生活習慣病としての歯周疾患予防
2000年に厚生省によってまとめられた「健康日本21」において,歯科疾患は,糖尿病や循環器疾患と共に生活習慣病と位置づけられた.成人期の歯周疾患予防の目標としては,40歳,50歳における進行した歯周炎罹患者(4mm以上のポケットを有するもの)を3割低下させることが挙げられた.具体的な方法としては,歯間部清掃用具(デンタルフロス,歯間ブラシ)を使用すること,喫煙の健康影響についての知識を普及すること,定期的な検診および歯石除去,歯面清掃と自己管理である.歯周疾患予防により成人期に急増する歯の喪失を防ぎ,最後まで自分の口で食べられるよう「8020」を達成することが重要である.2002年には「健康日本21」が「健康増進法」として法制化された.
現在,政府主導により「健康フロンティア戦略」が,2005年から2014年までの10年計画で,健康寿命を伸ばすことを基本として生活習慣病対策と介護予防に重点を置いて展開されている.歯周疾患による歯の喪失が咀嚼など機能的な障害につながることや,歯周疾患が慢性感染症であることを考えると,成人期からの生活習慣病としての歯周疾患予防が,摂食・嚥下障害があり,口腔ケアが必要な要介護高齢者に対する,まさに介護予防といえるのではないだろうか.
2000年に厚生省によってまとめられた「健康日本21」において,歯科疾患は,糖尿病や循環器疾患と共に生活習慣病と位置づけられた.成人期の歯周疾患予防の目標としては,40歳,50歳における進行した歯周炎罹患者(4mm以上のポケットを有するもの)を3割低下させることが挙げられた.具体的な方法としては,歯間部清掃用具(デンタルフロス,歯間ブラシ)を使用すること,喫煙の健康影響についての知識を普及すること,定期的な検診および歯石除去,歯面清掃と自己管理である.歯周疾患予防により成人期に急増する歯の喪失を防ぎ,最後まで自分の口で食べられるよう「8020」を達成することが重要である.2002年には「健康日本21」が「健康増進法」として法制化された.
現在,政府主導により「健康フロンティア戦略」が,2005年から2014年までの10年計画で,健康寿命を伸ばすことを基本として生活習慣病対策と介護予防に重点を置いて展開されている.歯周疾患による歯の喪失が咀嚼など機能的な障害につながることや,歯周疾患が慢性感染症であることを考えると,成人期からの生活習慣病としての歯周疾患予防が,摂食・嚥下障害があり,口腔ケアが必要な要介護高齢者に対する,まさに介護予防といえるのではないだろうか.
参考文献
1) 桜庭幸夫・他:職業性歯科疾患と作業関連歯科疾患についてのアンケート調査.口腔衛生学会雑誌48(4):526-527,1998
2) Pilot T, et al:Global results, 15 years of CPITN epidemiology. Int Dent J 44:553-560, 1994
3) Lang NP, et al:Absence of bleeding on probing. An indicator of periodontal stability. J Clin Periodontol 17(10):714-721, 1990
4) 厚生労働省(編):喫煙と健康―喫煙と健康問題に関する検討会報告書 第3版.保健同人社,2002
5) 藤田雄三・他:健康習慣と歯科保健状況との関連についての研究.口腔衛生学会雑誌45(1):14-27,1995
6) 森智恵子:職域における定期歯科健診と事後措置に関する評価.口腔病学会雑誌69(2):162-170,2002
7) 加藤元:〈若年労働者への健康支援〉積極的に取り組んでいる企業・研究室等の紹介 若年層の歯周病予防.健康管理619:36-40,2006
8) 品川 隆:某事業所における喫煙対策.日本労働衛生研究協議会雑誌11(2):35-38, 2005
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